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偽文士日碌

十月二十五日(月):385-386

 中国の反日運動は嫌煙権運動に似ている。政府への不満を反日にす
り替えようという中国共産党の策謀は、アルコールや自動車産業への
風当たりを煙草にすり替えようとする日本の政府やマスコミの策謀と
同じであり、地球から日本を消滅させてしまえというヒステリックな
プラカードの文句はそのまま、煙草文化を消滅させようという嫌煙権
運動家のヒステリーぶりに相似である。誰かそのことに気づいている
人はいるのだろうか。
「裏辞典」の四刷りが決定。オビには「祝・菊池寛賞受賞」の文字が
入る。その菊池寛賞受賞式の招待者名簿を作ってメールで発送する。
一受賞者につき三十人しか招待者枠がないので苦渋する。結局四十人
を越えてしまった。
 二時、朝日新聞出版の芝田暁、池谷真吾が「漂流」のゲラを持って
来宅。大江さんが推薦文を書いてくれるという嬉しい報告。返事のは
がきのコピーを見せてもらった。
「あの連載は、ひとりのじつに独特な面白さと真面目さの知識人の自
己形成史として、その本に対する記憶力の大きさ、細かさに感嘆しつ
つ愛読しました。筒井さんに心からおよろしくおつたえ下さい」
 ありがたいことである。
 菅首相がだんだん泣き顔になってきた。誰か何とかしてやれ。一国
の総理があの顔では、いくら何でもまずいぞ。
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