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偽文士日碌

十一月二十九日(金):715-716

 一昨日は「ビーバップ」の収録。昨日は移動日。ニューオータニの
「藍泉」で夕食をとって家に戻り、光子が表の掃除に出て、遊歩道の
工事は今夜で終るということをあの警備員から聞いてきた。深夜の一
時十五分、地震があり、寝入りばなを起されて四時間眠れず。
 今夜は五時半から山田風太郎賞の授賞式があるというので、郡司珠
子がハイヤーで迎えに来る。角川三賞の授賞式なので例によって控室
は人でいっぱいだ。歴彦会長と彼の著書について話す。次いで式とな
り、赤川次郎が選考経過を話し、あとはお決まりの順で何やかやの挨
拶。最後、歴彦会長が思いがけなく長広舌を振るったので吃驚した。
 パーティに移る。ハイボールを六杯飲み、運ばれてくるものを食べ
る。今回おれの推薦した人が受賞しなかったので来ないつもりだった
し、以前にも書いたがそもそもパーティに出ても誰もおれに話しかけ
ようとしなかったのだが、今回は郡司さんや足指骨折で跛をひいてい
る新名新が気を使ってくれて、あれやこれやと次つぎにわがテーブル
へ人を招いてくれたので愉しかった。貴志祐介が来たので映画「悪の
教典」について語り、中瀬ゆかりと短篇集について作戦を練る。今夜
始めて逢ったという須田美音と出版芸術社の池田真依子が仲良くやっ
てきた。会社がすぐ近所なのだと言う。わが長篇全六巻の企画は着着
と進行中らしい。最後に奥泉光がやってきて、この風太郎賞について
先のことをいろいろと考察。また郡司さんに送られて帰宅、九時。
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