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偽文士日碌

三月二十二日(土):751-752

 一昨日上京。途中ホテル・ニューオータニ「伊勢廣」にて焼鳥。あ
いかわらず美味である。原宿の自宅に八時帰着。
 昨日は水声社から「ジョルジュ・ペレック伝」という、枕になりそ
うな大部の本が送られてきた。厚さ五センチ五ミリ、七百八十頁、定
価一万二千円。こんな本、買う人がいるんかいな。
「奔馬菌」は細ぼそと書き継いでやっと十二枚。 
 第二十一回東京国際ブックフェア「読書推進セミナー」への出演が
決定した。東京ビッグサイト(東京国際展示場)で、七月五日土曜日
の午後二時から三時十分までの七十分の講演である。質疑応答はなし
とのことで、結局最後の方はまたしても「鬼仏交替」の朗読で終るし
かあるまい。疲労が甚だしいのであるが。
 三時にどやどやと文藝春秋の人たち、そして東浩紀が来宅。来るな
り喋りはじめてこちらが口を挟む暇もない。「聖痕」が気に入ったよ
うで、社会学的観点から新たな切り口で批評をしてくれる。こちらは
彼の著書「セカイからもっと近くに/現実から切り離された文学の諸
問題」について話す。自分だけはあんな風に分析をしてくれるなとく
れぐれもお願いする。こういう対談は長くても一時間半くらいなのだ
が、なんと二時間半。ほとんど東君の独演会で、終ってからもまだ喋
り足りないようだった。ついていくだけでふらふらになる。まったく
どえらい人物である。坂本龍馬もかくあったかと思わせるのだ。
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