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偽文士日碌

十月五日(日):71-72

 一昨日から家で自主トレを二回しただけで、いよいよ今日は新神戸
オリエンタル劇場の本番。衣装やら何やらかやらを持って光子と共に
三時にタクシーで出発。朝から小雨が降ったりやんだりなので、客の
入りが心配だ。
 三時半到着。懐かしい楽屋への螺旋階段。楽屋入口にはわざわざ今
日のためだけの着到板。名札を裏返す。楽屋に入ると、第一部の出演
者たちが次つぎ挨拶に来る。花が届いている。ロビーにも届いている
らしい。
 懐かしや麻生えりかがやってきた。この劇場でやった「スタア」の
時からのわが大一座の女優である。最近は「サカイ引越センター」の
コマーシャルに出ているらしい。
 四時、舞台におりて場立ち。照明や道具の打合せは十分で終る。四
時半開場。光子は同窓生たちが来るので、えりかと共にロビーへおり
る。楽屋は原則、禁煙である。おれは楽屋ロビーでモニターを眺めな
がら一服する。
 五時、新神戸オリエンタル劇場二十周年記念公演の開演である。第
一部は「二十年の歴史を振り返って~オリジナルミュージカルの名曲
とともに」という舞台である。過去の舞台のビデオやポスターを中心
に、劇団四季から招いた連中の歌やコントで構成されている。コント
が長引いたためか、予定より十分以上も押して終る。その間におれは
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