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偽文士日碌

五月二十日(水):179-180

 迎えの車で大阪・朝日放送へ。阪神高速も車が少い。運転手の話で
は市内でマスクをつけている人は半分くらいだとか。局内でも、着用
しているスタッフは三分の一程度だった。「ビーバップ」の出演者た
ちに全員マスクをつけて出演しようかと提案したものの、放映される
時期にはおさまっている筈と言われ、なるほどと思う。
 大上朝美が昨日とは違う男性カメラマンをつれてやってくる。今日
の最初のゲスト、早稲田大学の中野京子に、もしかするとツーショッ
トで写ってしまうかもしれないとお断りする。おれの愛読者だという
中野さんは「光栄です」と喜んで快諾してくれたものの、もしかする
とおれだけの写真になってしまうかもしれず、大上さんはちょっと困
っていた。
 打合せの際、校正の増山実が、日曜日に掲載された「孤島の鬼」を
読みたくなって本屋へ買いに行くと、平台積みになっていたと教えて
くれる。そう言えばアマゾンでも二桁台の順位で売れていた。この分
では次回掲載の「モンテ・クリスト伯」も売れるのではないかと大上
さんに言うと、「モンテ・クリスト伯」は現在、唯一岩波文庫から全
七巻で出ているのだが、第四巻が品切れで再版待ちの状態だと教えて
くれる。古書でしか入手できないようだ。今から印刷にかかっても間
に合うまいにと、買いたい人のためにいささか心配になる。
 最初の回は「怖い絵」で、これをやるのは二回目、中野先生は「怖
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