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偽文士日碌

六月二十六日(金):187-188

 ソマリア海域の海賊がますます猛威を振るっている。何億円という
身代金を要求された日本の企業がなんと六社もあるらしい。二十四億
円というケースもあるというが、そんなに取られるのならその金で有
志を募り、特殊部隊の隊員なども雇って海賊退治に行けばいいではな
いかと思う。おれがもっと若けりゃ、自分で行くのだがなあなどとも
思うがね。あはは。
 さて、七か月ぶりの旅である。まずは取材を兼ねて光子と京都へ。
なぜか市内は大渋滞。烏丸三条にあるホテルモントレ京都へ五時にチ
ェック・イン。ここを見たかったのだ。英国風の瀟洒ないいホテルで
ある。女性に人気らしい。
 タクシーで迎えに来てくれた新さんと喜美子さんの案内で、花見小
路にある「安参(やっさん)」という焼肉屋へ行く。六時開店だが、
六時に行くともう満杯で入れないというので十分前に行くと、すでに
先客が待っていた。えらい評判の店のようだ。二階席は予約できるら
しいのだが、「テーブル席はつまらん」という新さんの判断で、一階
のカウンターのいちばん奥に座を占める。最初は女将も店員も無愛想
に思えたが、話をするとみな職人気質で面白く、味がある。おれだけ
は芋焼酎、みなはビールを飲む。
 最初は次つぎと刺身つまりナマ肉が出て、本来不得手な光子たち姉
妹も、なにしろ美味なので頑張って食べる。彼女たちの分までおれと
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