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偽文士日碌

六月二十七日(土):191-192

 朝八時、新さん夫妻がベンツで迎えに来てくれた。五条通りを西院
まで走って京都縦貫自動車道に入る。このあたり、以前新さんの父君
が持っていた山へ山葵を採りに来たり、帰りにタケノコを買ったりし
た懐かしい場所だ。
 亀岡を経て丹波まで来る。現在、縦貫道はここでいったん途切れて
いるのだ。朝食を抜いてきたので、ここのやまがた屋というパーキン
グエリアで五平餅を食べ、光子たち姉妹はパンを食べる。綾部からま
た縦貫道に乗り、終点の宮津で降りる。百七十八号線で伊根湾へ。こ
この舟屋というのは、屋内の一階部分が船着き場になっている家のこ
とで、この家家がぐるりと湾を取り巻いている風景を見ながら、かも
め食堂というところで食事。主人がおれたちの見ている前で海から引
き上げてきた新鮮なさざえの壺焼き、岩牡蛎などを食べる。新さんは
今日最初の食事。うまいものを空腹で食うという新さんの信念だ。そ
のあと、鴎が周囲を飛ぶ伊根湾めぐりの遊覧船に乗って湾内を一周、
舟屋をつぶさに見る。
 ちょいと引き返して定番の天橋立観光。ここは以前、伸輔が子供の
ころ鳥取へ行く途中で立ち寄ったところだ。その時は雨が降っていた
ので上らなかった傘松公園まで、行きはケーブル、下りはリフトで上
る。喜美子さんと光子は股のぞきを試みていた。下りがリフトという
のは正解だったようである。
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