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偽文士日碌

七月二十八日(火):207-208

 おれは絶対に民主党には投票しないぞ。なんとばらまき予算の財源
のために煙草税を増やすというではないか。煙草が高価になるくらい
はしれておるからなんともないが、嫌煙権運動に阿ってのその心根が
卑しい。戦わねばならぬが、どう戦ったものか。
 午後三時半にジャーマネ柳井が迎えに来て、一緒に「SMOKE」
まで歩く。BSフジの番組「堂々現役」の収録のためである。行くと
すでに二十人ほどのスタッフが大量の機材をセッティングしていた。
家でやらなくて、ほんとによかったと思う。
 四時、福田和也が来る。ふたりとも三島賞選考委員からおろされた
ため、会うのは三年ぶりだ。女子アナの高橋さんは、俳優の高橋英樹
のお嬢さんである。以前共演したことがあるので、お父さんによろし
く、いい役者なのでまた共演させてくださいと言っておく。
 収録は一時間半。昔のことを話しながら、文壇通の福田君がどこま
で知っているかわからないのでちらちら顔を見るが、知らん顔をして
いる。知っているなら頷いてくれればいいのに。
 終了後、福田君と少し残って飲みながら文壇の話をする。スタッフ
たちは機材を撤収し、柳井の案内でわが家へ行く。書斎や、出演した
芝居やドラマの台本を撮るためである。 
「堂々現役」のおれの回は九月五日放送、その後も何度か再放送する
そうだ。
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