トップへ戻る

偽文士日碌

七月三十一日(金):209-210

 自民党と民主党、共に出来っこないマニフェストを出した。鳩山兄
などは「出来なければ責任をとる」と言っておるが、政治家が責任を
とるというのはやめるということ。総理になっても何も実現する筈が
ないから、すぐやめるつもりなのだ。金持のぼんぼんはこれで困る。
早く楽をしたいだけなのである。
 午後五時、著作権輸出センターの吉田ゆりかに伴われて、アンドリ
ュー・ドライバーが夫人とやってきた。イギリス在住のアンドリュー
はわが作品を英語に翻訳してくれている人。土産に、現在は発売され
ていない高級スコッチ・ウィスキーの十二年ものと、ハバナ産の葉巻
ひと箱と、シナモン入りのインドネシアの煙草ふた箱をくれた。こち
らは皇室御用達の扇子の、男物、女物を贈る。アンドリューは日本語
で駄洒落を言える人である。
 六時、家の前で記念撮影をしてから、光子も一緒に、五人で近くの
「欅亭」へ行く。座敷の席は掘炬燵風になっているから、外人も楽に
足をのばせる。アンドリューは全体の雰囲気はウディ・アレン、笑顔
は完全にジャック・レモンである。おれが焼酎のロックを注文すると
彼も同じものを注文した。飲みながら、今後の方針について計画を立
て、いろいろ相談する。「欅亭」の親方が腕によりをかけたらしく、
食事はすべて美味。アンドリューは料理を写真に撮る。話ははずんで
あっという間に時間が経ち、十時になってしまった。
ページ番号: 209 210

「次のページへ」や、「前のページへ」をクリックすると、ページがめくれます。