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偽文士日碌

七月十七日(木):777-778

 ベトナム観光公社が実際に出来たとやらで吃驚。正確にはベトナム
政府観光協会だが、政府がやっているなら公社に違いあるまい。「奔
馬菌」で書いたように颱風は中国へ行くみたいだし、書いたことが次
つぎに実現するというのは実に無気味なことでもある。
 一昨日の上京前から「世界はゴ冗談」という短篇を書きはじめてい
て、今日で第一話を書きあげた。このタイトルが新潮社から出す短篇
集の表題になる筈だ。
 五時に伸輔が来る。光子の体調がよくないので、今日の山下洋輔ス
ペシャル・ビッグバンド・コンサートには代りに伸輔をつれて行くこ
とにしたのである。各地巡演のあと、最後の公演はこの東京文化村オ
ーチャードホールで一日だけだから、いろんな人に逢う。アレンジと
指揮は松本治。今回は第一部が「展覧会の絵」で、第二部が交響曲第
九番「新世界」だ。このビッグバンドは二年に一度の公演だが、回を
重ねるにつれて凄くなっていく。エリック宮城のコメディセンスはな
かなかのもの。アンコール曲はタイトル未詳だが、久しぶりにビッグ
バンドの物凄いスゥイングを聞いてご機嫌だ。終演後、楽屋の廊下で
次は「ペール・ギュント」をやってほしいと洋輔に頼む。
 十時過ぎに帰宅。伸輔とビールや焼酎を飲みながら夕食。WOWO
Wで最近よくやる北欧の映画を見る。今夜はデンマークの映画だった
があいかわらず暗い暗い話。就寝三時。
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