トップへ戻る

偽文士日碌

十一月十一日(火):819-820

 新さんの葬儀以来、溜っていた雑用に追われる。あれからやった雑
用を前後無視して列挙すれば、cakesの写真選び、風太郎賞の選
評、必要経費算出のための領収書の整理、内外切抜や書評などの切抜
きと整理、支払通知書の帳面付け、これは会社によって消費税の計算
方法が違うので間違い続き、汚い汚い帳簿となる。さらには「日本S
Fベスト集成2」のゲラを点検。そのあと、今月二十三日に行われる
イベントで販売するための、出版芸術社から送られてきた「座敷ぼっ
こ」五十冊と「細菌人間」六十冊に署名落款。ビーバッブで紹介しな
ければならないので増山実の新作「空の走者たち」をゲラで読み、肝
心の小説を書いている暇がないから、たまには小説も書かなければな
らないと思い「メタパラの七・五人」という短篇にとりかかり、二、
三枚書く。次つぎに送られてきて食堂に積み重なっている新聞雑誌類
が崩れそうになってきたので新聞は新聞、雑誌やカタログは判型ごと
に分類して紐で括る。この雑誌は要るのかいらんのか、このカタログ
はと光子に訊ねるたびに傍らで読み耽るので整理がなかなかはかどら
ないが、月に一度はこれをやらねばならない。そうこうしているうち
にも領収書や支払通知書が次つぎに送られてくる。出版芸術社の池田
真依子からは今月出る「筒井康隆コレクション」第一巻のさまざまな
データが送られてくるので点検する。署名落款が終ったので大量の書
籍を段ボール箱三つに詰めて発送する。光子に頼まれて倉庫に山積み
ページ番号: 819 820

「次のページへ」や、「前のページへ」をクリックすると、ページがめくれます。