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偽文士日碌

七月二十八日(火):887-888

 あれから足の骨のレントゲンを撮ってもらったら、足の骨そのもの
は丈夫で、あと二十年は大丈夫とのこと。痛みは、筋肉が落ちている
からということであった。ステッキなど持つとそれに頼るようになる
のでよくないと聞き、以後はステッキを持たず、足の筋肉のリハビリ
に勤しむこととなる。もう滅多に痛まなくなってきたのでひと安心で
ある。
 午後六時、角川書店の郡司珠子がタクシーで迎えに来てくれて、光
子と共に同乗、池袋サンシャイン劇場に向う。キャラメルボックスの
「時をかける少女」の初日だ。受付でプロデューサーの仲村和生に楽
屋見舞を渡す。郡司さんも角川からの楽屋見舞を渡していたようであ
る。221会議室のJ・Paulと狼少年にも会う。七時半の開演で
二時間の舞台だが、まことに濃密であった。五十年前に原作を書いた
時にはこれが舞台になるとは思ってもいず、喜劇になり得るとも思っ
ていなかった。満杯の観客はよく笑い、そして泣いてもいた。演出は
いろんな工夫を凝らしていて、時間の逆回りはドラマやアニメでは効
果がなかったであろう。トチリはほとんどなく、主演の木村玲衣と池
岡亮介、そして坂口理恵がよくやっていた。終演後は楽屋に案内され
演出の成井豊と社長の加藤昌史、主演の三人に逢い、歓談。記念写真
を撮る。またしても郡司さんにタクシーで送って貰い、帰宅は十時半
となった。遅い夕食をとり、就寝一時半。
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