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偽文士日碌

十一月十七日(火):909-910

「モナドの領域」の見返しの用紙二百数十枚に署名落款をし続け、や
っと新潮社に送ったあと、今度は「コレクションⅣ・おれの血は他人の
血」二百数十枚の見返し用紙に署名落款をしなければならない。テレ
ビで大相撲などを見ながらぼつぼつ取りかかる。新入幕の御嶽海は下
町のお姐ちゃんみたいで面白い。こんな嫁さんがいたら頼りになるぞ。
 三時に日下三蔵が復刊ドットコムの澤田勝弘をつれて来宅。筒井康
隆全戯曲・全三巻というものを出そうというのである。現在入手困難
な戯曲を中心に、シナリオも含めて、日下三蔵の編集でやるのだとい
う。旧作が次つぎと復刊されるというのはまことにありがたいことで
あるが、「スーパージェッター」のシナリオまで見つけてきて収録す
るという話には参った。会議の席で加納一朗や山村正夫や、その他T
BSのプロデューサーたちからさんざいじられ、手直しされたシナリ
オなので、とても自分の作品とは言えないものばかりなのである。そ
の他、恥ずかしながら没になった「大魔神」のシナリオも入れると言
う。なんだか恥をさらすような気がしてならない。
 夕刻、伸輔が「モナドの領域」の表紙をメールで送ってきてくれた
が、まだこれで完成ではなく、さらに工程が残っているという。それ
でも楠瀬啓之が言っていたように、大作感のあるいい絵である。
 智子さんが横浜の三省堂に入ったら、おれの大きなポスターが張り
出されていて、「おじいちゃんだ」と恒至が大喜びしたそうだ。
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