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偽文士日碌

二月二十七日(水):1181-1182

はないかと思います」だからそういう話を提案して下さい。
「筒井康隆さんの作品のひとつに『俗物図鑑』があります。この作品
に登場する主人公のこどもであるカンニング評論家の男性が文末で、
またおんなじことをやるのだから、と、予告めいた発言をしていまし
た。もし現代版『俗物図鑑』を筒井康隆さんが長篇小説として世に出
されたら、わたしは狂喜乱舞しながら何度も読み返し…(以下略)」
要するに続きが読みたいということね。
「私は在る。私を在らしめる風を感じられるものは何か。風に鳴るも
の。葉。それは二つの葉だ。私の内部の『たったひとつの種子』が、
種子の中の種子とでも呼びたいものが、私の夢とも言えるものなのだ
…(以下略)」この調子でB5にぎっしり五枚を読まされた。
「菊田孝雄は幼い頃、謎の男から透視能力を授けられた。何時何処で
そんなことがあったのか、はたまた夢の中での出来ごとか、判然とし
ないが、その能力を授けられたことだけは確かである。彼は初め、身
近なものから試みた、と言ってもこの能力は相当の能力が要るらしく
…」この話の結末は、透視能力を与えられたのが盲の男であったとい
うものであった。
「仮タイトル『残像に口紅を』リターンズ。その空前絶後の方法論を
アレンジして、30年後にもう一度」というもので、末尾には自分で
「単なるパロディですね」と書いている、
 その他、文末に「筒井先生がやり尽したあとに新鮮なことが思いつ
けるわけがない。怒らないで」と書いている人が多かった。
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